販促品にも関係する、「色」の効果とは?

はじめに

はじめに

プレゼンテーション資料、インターネット、販促品など、ビジネスシーンに使われるコミュニケーションツールにおいて、「色」は重要なファクターです。
「企業ブランドをどのように印象づけていくか」、「それを見た人に、どのようなイメージが伝われば良いのか」等を考える場合に、色は重要な要素になります。ですが、その原理原則については、おぼろげにしかご存知でない方もいらっしゃると思います。
そこで、以下に、色についての原理原則をご紹介し、その次に各シーンにおいての、色を考えた時にポイントとして押さえておきたいことを記していきます。

色がもたらす効果について

最初に、導入として、普段よく使う色が人に対してどのような効果をもたらすのかを紹介していきます。

◇赤
「情熱の赤」とよくいわれるように、見る人に、力強さやパッションを思い起こさせる色です。
人の行動を促す効果も高いことから、商品名の配色を赤にすることで、顧客の購買行動を促す効果が期待できます。

◇黄色
人に対して、明るいイメージを抱かせる効果がある色です。反面、背景の色などによっては目立たないこともあることから、使用方法は注意を払いたいところです。

◇青
落ち着いた印象を与える色です。そのため、顧客に対し安定したメンタルコンディション、信頼感を与える効果が期待できます。お金を扱う銀行などのように、堅実な印象や信頼感が特に求められる企業で積極的な導入が効果的です。

◇緑
見る人に、和らいだ気持ちや健康的なイメージを思い起こさせる色です。健康につながる商品を扱っている企業が、広告やCM等に用いることで、宣伝が効果的になることが期待できます。

◇紫
上品で、富がある印象を与える色です。宝石や高級時計、美容室など、見る人にハイグレードな印象を抱かせたい場合に積極的に活用してみたい色です。

ここまでご紹介したような色の特徴を押さえた活用を、各シーンで行うだけでも効果が見込まれるでしょう。
ところで、「色」を語る時には様々な切り口があります。
以降では、もう少し細かい色の原理原則について、順を追ってご紹介していきます。

「色相」「彩度」「明度」とは? それぞれ何が違うの?

まずは、色の話でよく出てくる「色相」「彩度」「明度」について、見ていきましょう。

◇色相
色相とは、「赤」「青」といったような色合いの違いのことを指します。と言っても、あまりピンとこないかもしれませんね。
普段、色について言う時には、大抵この「色相」を持ち出して会話をしています。と言えば、少しはイメージが膨らむかもしれませんね。
色相を円の形に並べたものを「色相環」と呼びます。色相環は10色のもの、20色のものがあるなど、細分化のレベルは様々です。並び順として大まかに言うと、「赤→橙→黄→緑→青→藍→紫」の順に並んでいます。これには覚え方があり「せい→どう→おう→りょく→せい→らん→し」と覚えると、比較的頭に入りやすいです。またよく似た色相のことを、類似色相といいます。
色相環で、正反対の場所に位置している色のことを補色といいます。例えば、10色の色相環で、赤(R)の補色は緑系の色で(BG)となります。補色には特徴があり、補色を並べてみると、お互いの色を引き立てあう効果があります。

ということで、ここまで書いただけでも少し奥が深そうな世界ですが、色彩検定のテキストブックを使って練習すると、より正確な感覚を身につけることができます。
ちなみに色彩検定は、3級であれば1週間程度勉強するだけで合格できる可能性がありますし、色に関する基本的な知識や用語が学べます。

◇明度
明度は、それぞれの色の明るさの程度を示すものです。例えば、赤系の色では明度を変えるだけで、8段階ぐらいに見え方の印象が変わっていきます。
しかし、色相で言えば同じ赤の色相です。明度が高い場合は「白」に、低くなるにつれて「黒」に近づいていきます。
明度には色が使われているモノの重さ、軽さを左右する特徴があります。明るいものの方が軽く、暗いものの方が重く見えるような効果があります。

◇彩度
彩度は「色の鮮やかさ」の度合いを表すものです。彩度を説明する際に、「純色」「無彩色」という言葉が出てきます。「純色」というのは各色相で、一番彩度が高い色を指します。「無彩色」は彩度がない色で、黒・白・灰色のことを指します。

◇明度と彩度、違いとは
明度は「色の明るさの違い」を表し、彩度は「色の鮮やかさの違い」を表すと説明してきました。しかし、明るさと鮮やかさというのは、今一つ違いが分かりづらいですよね。
そこで、明度と彩度の違いを、もう少し説明したいと思います。
まずは、緑の純色を基準に考えてみましょう。純色は、先程「一番彩度が高い色」と説明しましたが、もう一つ説明を加えると、白と黒が全く入っていない色です。
ではこの色に、白や黒を少しずつ加えていったものを左側に並べていきます。そうすると、純色の割合が減り彩度がだんだん低くなり、白や黒のライン、つまり無彩色のラインに近づいていきます。つまり、彩度は純色の割合の変化を指します。
一方、白や黒を加えて、左側に並べていく時に段階をつけて加えていくことを考えます。縦方向に白や黒を加える割合を変えた行をいくつか作っていくイメージです。
上の行に向かうに従って白を多く加え、下方向に行くに従って黒を多く加えていくとします。そうすると、縦方向に何段階かの変化が出てきますが、上方向に行くほど白に近づく方向で変化し、下方向に行くほど黒に近づく方向に変化していきます。
この縦方向に白に近づく方向で変化するのは、明度が高くなることを指し、黒に近づく方向で変わって変化するのは、明度が低くなることを指します。
つまり、明度とは白と黒の量によって変化するのです。

◇コントラストとは
明度や彩度の差を「コントラスト」と言います。
コントラストが高ければ鮮やか且つくっきりした印象に、低ければ柔らかく且つくすんだような印象となります。

RGB、CMYKとは

これまで述べた「色相・明度、彩度」の他に、RGB、CMYKという言葉も、色の説明で出てきます。
今度は、これらについて見ていきましょう。

◇RGBとは
色の表現方法の一種です。R(RED)、G(GREEN)、B(BLUE)を3つの原色とし、これらの色を混ぜて様々な色を作り出します。3色を混合すればするほど明るい方向へ色が変化していくことから、「加(加える)」という文字を用いて、「加法混合」と呼ばれます。こちらはブラウン管や液晶ディスプレイ、デジタルカメラなどで使われています。
似たような名前で、「RGBA」というものがあります。こちらは、R(RED)、G(GREEN)、B(BLUE)、アルファチャンネル(ALPHA)の略です。アルファチャンネルとは、画像処理分野において用いる補正データのことを指します。

◇CMYKとは
Cyan(シアン)、MAGENTA(マゼンタ)、YELLOW(イエロー)、KEY PLATE(キー・プレート)を一文字ずつからとった、色の表現方法の一種です。
ちなみに、KEY PLATEはブラックと説明されていることが多いですが、ブラックのことではないようです。これらの色はRGBと違って、混合すればするほど暗い方向へ色が変化していくことから、「減法混合」と呼ばれています。プリンターなど、印刷機で使われている方法です。

◇RGBやCMYKは万能?
残念ながらこれらの方式では表現できない色があります。金色や銀色などが、それにあたります。

◇ここまで読まれてお気づきでしょうか?
お気づきの方もいらっしゃると思いますが、画像表示部分ではRGB、プリンターではCMYKが使用されているとすると、プリントアウトした際にRGBデータをCMYK方式に変換しなければなりません。
プレゼン資料をプリントアウトする際には、この変換が行われています。そのような際、例えば「プレゼン資料を画面で見ていた時には色鮮やかだったのに、プリントアウトしたら少しくすんでしまった」ということがあると思います。
これは、RGBからCMYKにデータを変換する際、最も近い色に変換されてはいますが、元々の色より少しくすんだ色に変換されることが多いからです。
このようなイメージの差を避けるためには、ディスプレイで表示されている段階からCMYKに変換することで実現できます。ソフトウエアによっては、CMYK方式に変換できるソフトウエアがあります。
注意点としては、一旦データを変換してしまったら元には戻せないということです。

配色についての基礎知識

ここまで、色について様々な見方を説明してきました。
ここからは少し観点を変えて、配色についてのポイントを見ていきましょう。
広告等で使う配色は「テーマカラー」と呼ばれ、テーマカラーには「メインカラー」、「ベースカラー」、「アクセントカラー」という3種類があります。原則的には、それぞれ1色ずつ、計3色を選択すると良いといわれています。
例えばスターバックスのロゴは緑、白、黒で表現されていますし、ミニクーパーはボディの赤、天井の白、ウィンドウ部分は黒で表現されています。このように、世の中で優秀なデザインとされているものには、3色を巧みにバランスよく使用しているものがたくさんあります。
それでは、それぞれのカラーについて見ていきましょう。

◇メインカラー
企業のブランドロゴや主要コンテンツに使われる色で、企業イメージを決定づける色と言っても過言ではありません。広告を作るうえでは、まずこのカラーを一番に決定していきます。

◇ベースカラー
広告の背景になる色となります。あまり出しゃばらない色調にするのが定石です。

◇アクセントカラー
広告全体を引き締めるような、文字通りアクセントを持たせたカラーです。アクセントカラーは、メインカラーとは色相の離れた色を使うと鮮やかな印象になります。

ビジネスシーンでの活用例

ここまでは、色についての基本と配色について見てきました。
ここから先は、それぞれのビジネスシーンで、これらの原理原則をどのように活用していけばよいかを考えていきましょう。

◇プレゼン資料
【原則編】
まず「ベースカラー」「メインカラー」「アクセントカラー」の割合ですが、おおよそベースカラー:70%、メインカラー:25%、アクセントカラー:5%といった割合にすると、全体としておさまりがよくなってきます。
プレゼン資料は、印刷して配布されることも多いことから、ベースカラーは白にするのが無難です。メインカラーは、会社や商品のイメージにすると良いでしょう。
それでは、アクセントカラーはどうすれば良いでしょうか。ここは原理原則に従って、メインカラーの補色を使うなど工夫しましょう。重要ポイントに使われることが多いと思いますので、しっかりと主張できる色を選ぶことが大切です。
そして、もう一つ大事な点は、資料全般にわたって統一感を持たせることです。そうすることによって、資料を見る側にも、アクセントカラーの文字を見た時に自然と「ここが重要だ」と感じさせるように、作成側の意図が自然に伝わることが期待できます。

【応用編】
日常生活では様々な色が使用され、原色系の色が使われていることは少ないです。ということからも、原色を見るというのは、日常生活から比較するとややきついイメージとなってしまうことが往々にしてあります。原色を避けることで、見る側にも、より親しみやすい資料とすることができるでしょう。
また文字についても、通常は黒で記載することが多いと思いますが、見る側の負担に配慮しようと考えた場合、100%の黒文字ではなく、少し白の要素を加えたグレーを使用するといいでしょう。そうすることでコントラストをおとし、柔らかな印象の資料とすることができます。
さらに資料の中で、「対策前」「対策後」といった比較要素を表現する場合は、しっかり差をつけるようにするといいでしょう。「対策後」に使うカラーは鮮やかな色、できればメインカラーにするとよいでしょう。

◇ホームページ
プレゼン資料のところで説明した内容がほぼ活用できると思われますが、ここでは「視線の移動」について追記したいと思います。
視線移動の基本は左→右、上→下、左上から右下に動くのが自然な流れです。そのような動きになるように、グラデーションを工夫してつけるとよいでしょう。

◇マグネットシートなどの販促グッズ
マグネットシートを例にすると、販促目的、ノベルティ目的、販売を目的としたケースなど、それぞれあると思います。
注意点としては、販促であれば「メッセージが目立つことが重要だが、剥されないように見飽きない色彩にすること」。そしてノベルティであれば、「企業イメージにもつながるところなので、あまり誇張しすぎないようにすること」がポイントとなってくるでしょう。

まとめ

はじめに

今回述べてきた内容をいくつか組み合わせていけば、より見栄えのいい、効果性のある広告宣伝が出来るでしょう。ぜひ参考にしていただければと思います。

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