2000年代初頭、食卓の安全を揺るがすほどの大問題と なったBSE(牛海綿状脳症 その影響で、一時期は米国産 牛肉がスーパーからなくなる事態となりました日本国内で はBSE感染患者は1人も出ませんでしたが、今、アメリカな どではBSEの原因となる因子の影響でシカがゾンビ化する 狂鹿病」が問題となっているそうです。

狂鹿病は、CWD(慢性消耗病)という致死性の感染症が原因です.
CWDは、シカやトナカイなどシカ科の動物にみられる病気で、その病原体はプリオンです。プリオンは、タンパク質からなる感染性因子のことで、 狂牛病などの伝達性海綿状脳症の原因となります。

cwDプリオンは、BSEと同じ <脳や脊髄などに多く蓄積しますが、中には心筋や骨格筋にも蓄積するとの報告も出ています。 また、CwDは血液や 唾液,排泄物からも感染症のプリオンが見つかっており、人が与えた飼料で広まったBSEとは違い、ゾンビ鹿が撒き散ら したよだれや尿による汚染でシカからシカへと病気が広まるのです。 今のところCwDの人問への感染は確認されていませんが カナダではCWDに感染した鹿肉を与えたサルが感染したとの研究結果が出ています. BSEプリオンも人間に感染するように変化したことから、今後、CWDプリオンでも同じことが起こる可能性があると專門家たちは指摘しています。 多くの研究で種の間には強固な障壁が存在することを示していますが、最近の研究では、その障壁がこれまで考えられていたほど強固なものではないという可能性を明らかにしているそうです。 さらに、CWDプリオンが進化している可能性が高いことも発見されており、人間に感染するCWDプリオンの出現も時間の問題といわれています。 元々、BSEは羊に感染するスクレイピーに由来しており、スクレイピーの原因となるプリオンが牛に感染した場合にBSEが発症し、その牛肉を人間が食べると、人間の脳でプリオンを作り出します. アメリカ食品医薬品局によると、2016年はこの症状で231人が死亡しているそうです。 過去21年、狂鹿病の発症率は増加していますが、人間への健康被害はなかったそうです。ですが、これからCWDプリオンがどう変化していくかは未知数です。 現在、日本では CWDは確認されていないそうですが、感染症はどのような 経路で侵入してくるか分かりません。ジビエブームの影響で 野生動物の肉に注目が集まっており、日本の野生動物がこのような病気に感染することがないよう、様々な対策が必要になりそうです。