0.1mmの紙を42回折ると地球からおよそ38万km離れた月へ届く。
一度聞いただけでは疑わしく思えるこちらの話を紐解き、さらに42という数字が持つ文学的な魅力についてお話していきます。

紙を42回、半分に折っていくと月に届くという話ですが、学生の頃に聞いて眉唾物だと思った記憶があります。紙に触れる機会の多い弊社にてふとこの話を思い出したので、今回は紙を半分ずつに折るとどうなっていくのかを考えていきたいと思います。

さて、今回は計算しやすいよう、折っていく紙の厚さを0.1mmとします。0.1mmは一万円札ほどの厚さです。

0.1mmの紙を1回折ると0.2mm、2回折ると0.4mmと折るごとに厚さは2倍になっていきます。

10回折るとただの紙が10cmを超えるほどになります。
25回折ると富士山とほぼ同じ高さ、35回折ると日本列島の長さと2倍されていくごとに大きく厚みを増していきます。

そして41回折ると219,902,325,555.2mm(約22万km)となり、42回目にはついに439,804,651,110.4mm(約44万km)となります。

地球から月までの距離はおよそ38万kmなので、紙を42回折るとその厚さは月へ到達することになります。

42というと、話は変わりますが皆さんは「生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え」というものをご存知でしょうか。

答えは42なのだそうです。

というのも、これはダグラス・アダムズの銀河ヒッチハイク・ガイドというSF作品からきたもので、優れた知能を持つ生命体が750万年もの時間をかけてスーパーコンピューターに導き出させた答えこそが”42”でした。

そして42は不思議の国のアリスの著者であるルイス・キャロルの好んだ数字とも言われています。

例えば、不思議の国の裁判で大きくなったアリスが王様に言い渡されるルールの42条は「身長1マイル以上の者はすべて法廷を出なくてはならない」ですが、この原文である”All persons more than a mile high to leave the court”も42文字で構成されています。

他にも不思議の国のアリスには42枚の挿絵が使用されていることや、白の女王様が朝食の前に考えられる6つの不可能なことは1週間で6×7=”42”となること、他にも42をうかがわせる要素が作品の内外に散りばめられています。

42という数字になんだかロマンを感じますね。

ちなみに、一般的なコピー用紙などは約0.8mmですので先ほどの通り折り曲げ計算していくと42回目には351843.72088832mm(約35万km)となり、およそ3万km足りなくなってしまいます。そのためコピー用紙などで月まで届かせようと考えると、43回紙を折り曲げ続けることになります。

とはいえ紙を半分に折っていくのは機械や大きな紙を使っても大体10回前後が限界となり、切って重ねるにしても重ねられないほど小さくなってしまいます。つまり月まで届くと言っても計算上での話になります。

先ほど試してみましたが、6回ほどで紙の硬さに負けて折り曲げられなくなりました。

計算してみると納得しますが、吹けば飛んでしまう薄い紙でも42回折ると月へ届くというのは不思議な感覚です。

そうそう、多くの検索サイトでは「生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え」と検索すると作中のスーパーコンピューターのように”42”という数字が算出されます。

“42”の持つ魅力をぜひお楽しみください。