良い悪いは何事も個人の感覚で大きく変化する 

2008年頃、アメリカの「ダウニー」という柔軟剤が大ヒットしてから香りブームは続き、香水や制汗孙ヘアケア剤・ポ ディクリームなど良い香りのする商品が沢山販売されています。
特に近年は様々な種類の柔軟剤が開発され、生地を柔らかくするという本来の目的よりも香りを長持ちさせることを強調した商品も多くあります。 しかしのような良い香りは誰にとっても良い香りというわけではなく、人工的な香りによって頭痛やめまい、吐き気など体調不良を訴える人もでてきました。
こういった被害は「香害」と言い、人工的な香料に含まれる化学物質が鼻や喉を通って大量に、もしくは長期的に体内に入り、解毒作用が追いつかなくなると化学物質過敏症という化学物質へのアレルギー反応となって様々な身体的不調を引き起こしてしまいます。
ひどい人では微量の化学物質でも反応し、外出や外食さえできなくなる人もいるくらいで、男女別の発症割合は男性22%、女性78%と、女性の方が発症しやすく、小学1年生の6.4%、中学3年生になると17.9%と子どもの発症率も高くなっています。 ひどい症状がなくても、洗濯物の部屋干しをすると咳が出る、柔軟剤の香りで気分が悪くなるといった一時的な体調の変化もあり、ただの体調不良と捉え自分で気が付かない場合も多くあります。
また、お隣の洗濯物の香りが強くて窓を開けられない、香りが気になり電車に乗るのが辛いといった隣人トラブルの原因にもなっており、日本消費者連盟が「香害110番」を設置するほど悩みの声は大きくなっています。
誰がいつ発症してもおかしくない化学物質過敏症の防ぎ方として、柔軟剤は使用目安量より多く使わない、香水はワ ンプッシュ以上つけない、ヘアケア剤も必要以上につけない、天然香料のものを使う、などといった事があげられます。
また、化学物質は呼吸、食事、皮膚から体内に入りますが、そのうちの80%以上は呼吸から体内に入るので、強い香り を避ける事が効率的に化学物質を避ける方法となります。 沢山の種類の香りが世の中に溢れ、香り好きな方たちにとっては商品選びも、より楽しいものになりましたが、その反面強い香りに悩まされている人たちも増えました。

自分や周 囲の人への身体のためにも、好きな香りのものでも、ほのか に香る程度が良い香りの条件として覚えておきたいものです。