第163回 小平奈緒 2月9日から第23回冬季オリンピックが韓国·平昌にて開 催されます 本日は3大会連続の五輪代表、そして日本選 手団の主将を務めるスピードスケートの小平奈緒選手です。

小平選手は長野県茅野市出身の31歳。中学時代からスピードスケート選手として注目され、中学2年時には高校生も出場する全日本ジュニアで優勝して史上初の中学生王者になりました。高校でもインターハイで優勝するなど活躍し、清水宏保氏(長野大会の金メダリストを育てた結城監督がいる信州大学へ進学します。大学から履修への特別な配慮を受けずに単位を取得しながら、全日本スピード距離別選手権で優勝するなど大学時代も活躍して、長野県相澤病院に就職、病院の医学面でのサポートも受けながら オリンピックを目指します。

2010年バンクーバー大会は個人種目でのメダル獲得は出来ずも、女子団体パシュートで日本女子としては初の銀メダルを獲得し、大卒初の女子メダリストとなりました。
2014年ソチ大会も個人種目でのメダル獲得とはならず、その後相澤病院に籍を置いたまま、強国オランダに練習拠点を移します。

そして, 2014年ワールドカップ500mでの初優勝をきっかけに実力が上がり、世界距離別選手権などで優勝、現在は500mでは一昨年から世界で24戦無敗, 1000mでは日本女子初の世界記録をマークし、五輪での2冠が期待されています。

そんな小平選手が五輪シーズンの今季、長野で始動した時に報道陣から意気込みを聞かれ、「明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ」とインド独立の父であるガンジーの言葉を口にしました。
世界の頂点に立っても、さらなるスピードや探究心は尽きることがないようです。「日常生活では24時間スケートを考えている。休むことも友達と話すことも突き詰めればそこに繋がる。磨き上げた自分自身を五輪に持っていきたい」と彼女は語ります。
今季はライバ ル選手も五輪に向けて調子を上げていますが、体の動かし方を学ぶ古武術の先生から心の持ち方を学び、「いてもいなくても一緒。ただ自分の動きをするだけ」と言います。
そして彼女がオランダに飛び出し、自分を見つめ直した時に気付かされたことが、「与えられるものは有限、求めるもの は無限」だそうです。「与えられたことで満足するのではなく自分で求めていく」、その先に追いかける究極の滑りがあると彼女は信じています。

地元長野大会から20年。「清水選手が見ていた景色を、私も自分の目で見てみたい」との思いを込めて戦う彼女の活躍に期待ですね。