カイロの歴史について

カイロは身近な化学反応で温かくなる。

カイロは身近な化学反応で温かくなる
鉄を濡れたまま放置しておくとサビてしまいます。
これは鉄の酸化、つまり鉄が空気中に含まれる酸素と反応して酸化鉄に変化する化学反応です。化学反応が起こると熱が出ます。

化学反応では熱の発生や吸収が起こります。
熱が発生する場合を発熱反応、吸収される場合を吸熱反応といい、その時の発熱や吸熱を反応熱と呼びます。

一般的に、物質を構成する分子は原子の化学結合によってつくられ、化学結合を切り離す時にはエネルギーが必要になり、逆に化学結合する時にはエネルギーを放出します。

鉄が酸素と結合して酸化鉄へと変化する時には、余分なエネルギーを反応熱として放出しているのです。これを利用したものが使い捨てカイロです。

日常の生活の中でも、鉄がサビる時には熱を出していますが、普通はゆっくりと反応が進むので熱として感じることはありません。

さまざまな工夫をして温かくなるカイロ

さまざまな工夫をして温かくなるカイロ
鉄がサビる現象は普段の生活の中では非常にゆっくり反応が起こるため、この熱を感じることはできませんが、カイロはこの反応熱を上手に利用できるように、さまざまな工夫をしています。

カイロの中には、鉄粉、水・塩、活性炭、保水剤が入っています。鉄粉は、さびることで熱を発生させます。
水・塩は鉄粉を早くさびさせる役割を持っています。

活性炭も炭にはたくさんの小さな穴があり、吸着させる力があるので、酸素をたくさん取り込んで鉄粉を早くさびさせることができます。

保水剤として観葉植物の保水土とし使われるバーミキュライトがよく利用されます。

これらの原料割合を細かく調整することで、適切な温度、持続時間になるようにコントロールしています。

カイロは空気に触れると発熱をはじめるので、空気の進入を防ぐ特殊なフィルムを使ってカイロを作っています。