株式会社トリドールという社名は知らなく「丸亀製麺」という讃岐うどんのチェーン店をご存知の方は多いと思います。

トリドールは焼き鳥、うどん、焼きそば、パスタなどの専門店を展開する外食チェーンの会社ですが、「丸亀製麺を中心に年間100店舗を超えるペースで出店。

国内外で1000店舗を超える、外食企業の代表が粟田氏です。 創業者の粟田氏は兵庫県生まれ。父親が香川県出身のため、小さい頃からうどんに親しんでいました。
小学6年の時にその父親を亡くし、兄と共に母を助け家計を支えます。 大学時代の時に経験した喫茶店のバイトをきっかけに飲食業の面白さを感じ、起業することを決意。大学を中退してトラックの運転で開業資金を貯め、「とりどーる」というわずか8坪の焼き鳥屋を開店します。

それなりの成功を収め3店舗まで増えますが, 2003年に始まった鳥インフルエンザ騒動で経営戦略の変更を迫られます。そこで思いついたのがうどんのチェーン展開でした。 丸亀製麺の成功の要因は、あえて人に依存する、店内での製麺機の導入です。
セントラルキッチン方式を採用しなかった事は当時の外食産業では非常識だったのです。店内をオープンキッチンにするアイデアは焼き鳥屋時代に思いついたそうで、実際に調理している所をお客様に見せる事で、出来立て感、手作り感、臨場感を追及する事がトリドールを今の地位に押し上げたとも言えます。
もうひとつの 非常識は、1000以上の店舗ほとんどが直営店というのです。 人材の教育は、マニュアル化ではなく、手間隙かけた教育や研修などの「非効率」な取組を地道に行なったことが、 「結果的に最短距雕の道を歩むことになった」と粟田氏は語ります。
トリドールは06年に東証マザーズに上場、10年に東証一部へ、11年にはハワイ1号店を開店。現在は香港、上海、北京、 モスクワ、シドニー、ソウルに子会社を設立し、海外店舗を増やしていますが、同社が打ち出した新機軸が、海外市場の開拓強化です。

既にアフリカのケニアでは「焼きうどん」店が大ヒットしており、20店舗に拡大する計画だそうです。今後マクドナルドやケンタッキーフライドチキンが未進出の国や地域に出店して二桁成長を狙うといいます。

本当に外食で、世界のトップ10企業を目指して行くという、非常識に見える野望が粟田氏には見えているのかもしれません。