「イクメン」という言葉を聞かれたことがある方も多いと思います。育児をする男性という意味ですが、付け加えると、育児休暇を申請し‘育児を趣味と言ってはばからない”など、 積極的に子育てを楽しみ、自らも成長する男性のことを指します。

この様な俗語が浸透すると同時に、社会の中でも様々な変化が起こっています。

この度、4月から滋賀県大津市では「育MEN休暇」とし、 男性職員は現在、妻の出産に立ち会うための「出産補助休暇」を最多で3日間、そして妻の入院中に上の子どもの面倒を見るためなどの「子の養育休暇」を最多で5日間取れる制度がありますが、この2つの休暇を産後6カ月まで、最多で10日間の休みを取ることができるという制度をスタートさせます。

全国の自治体でも、この2つの休暇を合わせることは初となり、画期的な取り組みとして注目されています。また、「出生時両立支援助成金」といった男性の育児休業取得促進を目的とした『イクメン助成金』という制度が存在します。

これは、男性の育児休業取得率を平成32年度までに13%に引き上げることを目標に、平成28年4月1日から5年間の時限措置として始まりました。男性労働者が育児休業を取得しやすい職場風土づくりに取り組み、男性労働者に子の出生後8週間以内に開始する育児休業を利用させた事業主に対して支給される助成金です。

受給に際しては対象となる条件がいくつかありますが、手続きは管轄の労働局雇用環境・均等部へ申請すると、育児1人目で最大72万円、育児2人目以降でも18万円の助成金が支給されることとなります。

制度からしても育児や家事を担う男性が主流になるといった風潮がありますが、実際には労働現場との現実は大きく乖離したものであることも否めません。厚労省が発表するデータによりますと、昨年度の男性の育児休暇取得率は3%ほどで、2ケタに伸ばすには大きな課題も山積みだと推測されます。主な原因は出世競争から外れ、異動や転勤を命じられ、 単身赴任となったという「噂の話」も聞こえてくるということが 大きいようです。

昨今では、出産後も職場復帰し、フルタイムで働くといった 女性の社会での活躍は珍しいことではありません。その一方で、「イクメン」といった言葉だけが先行し、企業側の制度が 実際の現場では浸透されていないことを考えると今後ますます、イクメンにおける制度の在り方を夫婦間はもちろんのこと、 企業側も考えなければならない時が来ているのではないでしようか