進化を続けるSNS 12億人が利用する「WeChat (微信)」

 

「Facebook」や「Twitter」「LINE」などが使えない中国では、その代わりにそれぞれの中国版ともいわれるSNSが発展しています。中でも中国版LINEと呼ばれる「WeChat (微信)」 は、登録者数が12億人を超えており、月間使用者数は8億 8900万人となっています。日本国内最大のコミュニケーションアプリLINEの月間利用者数が6800万人前後ですので約 13倍の規模で、現在では20以上の言語版があり、200の国と地域がカバーしており、70を超える国と地域で人気ナン バーワンのソーシャルアプリです。 LINEのようにメッセージのやり取りや、通話,ボイスメッセージ機能といった基本機能に大きな違いはありませんが、 使用者が多いことから個人WeChatのQRコードを名刺に載せたり、名刺交換と一緒にWeChat IDを交換するなどビジネスの場面でも良く使われます。
それに加え、決済機能サービスが進んでいますので、コンビニ、タクシー、公共料金、映画チケットなど様々な場面で使用されており、訪日観光客もこの決済機能を利用してお買い物する方も多いようです。
そして、WeChatはさらに進んだサービスを今年の1月から始めています。

それが「黄金紅包」です。

中国には旧正月に「利是(ライシー)」と言う、日本のお年玉のようにお金を配る文化があります。この時、赤い袋や紙に包んで渡す「紅 包(ホンバオ)」というしきたりがあるのですが、WeChatではこうした文化に乗り、ゴールドをユーザー間で受け渡しできたり、購入を行えるのです。贈り主は、ゴールドを特定の人数に均等に割り当てたり、トータルの量と人数だけを決め、 運試しも兼ねてシステムにランダムに割り当て、チャットグ ループに送信できたりと若い世代を意識したサービスでもあります。
また、ゴールド0.001g(日本円換算で4~5円)からの売買ができ、連携するICBCスタンダードバンクに口座があれば、購入したゴールドはそこに送られ、現物を受け取ることも可能です。
すでにWeChat利用者11億人のうち、3億人以上がゴールドの決済口座を保有しており, weChatの調べによりますと、 陰暦の大侮日にあたる2017年1月27日だけで、142億個の ゴールドを入れた紅包のやり取りがありました。
最低ロットの 0.001gのやり取りであったとしても、約14トン(日本円換算で 約600億円)の取引が1日だけであったということになります。 このような小口からゴールドの売買ができるサービスは中国だけでなく、豪州やインドでも続々と誕生していますが日本にはありません。
日本にも独自の文化はたくさんありますので、時代の流れを文化に乗せるといったサービスをもっと発展させることができれば、今よりも良い日本になっていくので はないでしょうか。