今注目を集めているブラムリー
一度食べてみては如何ですか

「ブラムリー」というリンゴがあります。色は緑色、平たく大き い形、ごつごつした表面、そんな特徴のリンゴです。ブラムリーは日本ではほとんど流通していない品種ですが、近年 徐々に人気が出てきており、料理人やパティシエなども注目しているようです。
実はこのブラムリー、イギリスではリンゴ の生産量の45%を占めるほどのメジャーなリンゴで、民家の 庭に植わっていることも珍しくありません。その品種が確立し たのは約200年前, 在まで変わらずにイギリスで 愛され続けているリンゴなのです。 この知名度の違いは日本とイギリスのリンゴの食し方の違 いが影響しています。
日本ではリンゴはデザートであり、生食できるものがほとんどですが、イギリスではこういった生食用のものを「デザートアップル」、調理用のものを「クッキング アップル」と呼び分けますプラムリーはその「クッキングアップル」の中の一つで、「クッキングアップルの王様」と呼ばれ ています。
その最大の特徴は強烈なまでの爽やかな酸味とその裏にある深いコクです。また、加熱してもその芳醇な香りは飛ぶ ことは無く、ジャムやパイはもちろん、スープ、ソースのほか塩の効いた料理などにも使われます。
中でも肉料理との相 性は抜群で、強い酸味はアクセントとなり肉の旨みを引き立 ててくれます。肉料理だけではなくあらゆる料理を美味しくしてくれる名脇役です。
そんなブラムリーに目をつけたのが長野県にある小布施 町寸。当時リンゴの販売量の減少を受けて多くのリンゴ農 家がナシやブドウに切り替えていました。そんな折り、 小布施町出身でリンゴ農家の四男に生まれ育った荒井豊 (みのる)氏が、故郷のリンゴ農家の衰退に心を痛め、町おこしになるものを探していた時にブラムリーという存在を知りま した。
イギリスからブラムリーの木を譲り受け、そして1991年に商業栽培を開始しました。荒井氏の努力のおかげか、プラムリーの魅力か、あるいはその両方なのか、現在では熱烈なファンが増えてきて、また、その需要に答えてブラムリーを 作る農家も少しずつ増えてきています。
果物と言えば甘さが重視されることが多く、長年の品種改 良により甘く美味しい果物が数多く作られています。そんな 中, 200年前から変わらず、酸味が特徴のブラムリーは、そ の他には無い味わいが、イギリス人を魅了し続け、日本でも ファンの心を掴んで離さないのではないでしょうか。 もし、レストラでブラムリーを見つけたときは、是非味わっ てみてください。

あなたもブラムリーの魅力に取り憑かれるか も知れません。