マーケット情報の片隅に「フォートノックスの金塊が43年ぶりに一般公開』というニュースが出ました

その場に居た ムニューチン米財務長官がツイッターにて「米国の金は安 全だ」と呟き、企業界を騒然とさせています。なぜなら、この フォートノックスは米国が保有する金準備はもちろんのこと、 世界各国からも金準備が預けられている施設なのですが これまで様々な機関が公開を叫んできたにも関わらず、こ れまでずっと却下されてきた経緯があり、もはや預けられた 金はなくなっているのではないかという憶測が広まっていた からです。 何のために、なぜこのタイミングで公開したのだろうと思っ TVvた次の日、今度はドイツがフランスに保管していた金 準備を移送完了したとのニュースが飛び込んできました。 ドイツは米国(8133トン)に次ぐ3374トンと世界第2位の金 保有国ですが、先の大戦後、リスクを分散する目的で米. 英 仏の中銀に保有金の70%を預けていました。それを 2013年から突如、ドイツの信頼と金塊の管理詛力を高める ためと金準備の国内移送を始めました。2020年までに国内 保有量を50%まで引き上げる計画を出し、米国から300 トン、フランスから374トンの移送を進めていました。そして、 計画よりも3年も前倒しで先日移送が完了したとのことです。 ドイツがかなり急いで金の移送を行っていたことが伺えます。 このドイツの動きが表に出る前に米国が金塊の公開へと動 いたことを見ますと、米国が世界へ発したメッセージは咪国 に金を預けている各国の皆様、金はあるので安心してくださ い、ドイツのような行動は取らないでください」という警告のよ うに聞こえます しかし、今回のフォートノックスの金塊公開 では一部の金庫が公開されただけ、そして限られた関係者 に短時間だけの公開だったことなど不振な点は拭いきれず、 逆に懸念は深まってしまっているようです。 これまでもドイツは度々金保管庫の公開を要請していまし たが、その度に米国側はただ「適切に管理している」と述べ るだけでドイツの不信感は募ってきました。ドイツが本国へ の金準備移送を決め、行動を急ぐ背景には米国とドイツの 水面下での対立があるのでしょうか。 米独の対立で思い出されるのは30年前のブラックマン デー、当時のような不穏な空気の流れを感じてしまいます。