販促品のコンプライアンスについて

販促品を製作する上で無視できないのが企業コンプライアンスです。

販促品にはさまざまなモデルやキャラクターなどが使用されますが、使用期間や利用範囲などのルールを遵守しないとコンプライアンス違反となり、最悪の場合、裁判などに発展するおそれがあります。

中には意図せずコンプライアンス違反を犯してしまっているケースも見受けられますので、販促品に著作物を利用する場合は特に注意を怠らないようにしましょう。

知らないうちに違反している可能性も?販促品のコンプライアンス問題

うちわやカレンダーなどの販促品をより魅力的な物にするために、イメージモデルやイメージキャラクターを起用している企業は数多く存在します。

しかし、モデルやキャラクターには著作権が発生するため、起用する際はコンプライアンスを徹底しなければなりません。

コンプライアンスとは企業などが法令や規則をしっかり守る事で、直訳すると「法令遵守」という意味です。

コンプライアンスに違反すると何らかの形で制裁を受けるのはもちろん、企業のイメージダウンに直結してしまうため、今後の経営に大きな差し障りが出てくるおそれがあります。

そのため、大多数の企業はコンプライアンスの徹底に力を注いでいますが、著作権問題はやや複雑なところが多く、知らないうちに違反してしまっているケースも少なくないので注意が必要です。

・・コンプライアンスに違反すると刑事罰が科せられることがある もしコンプライアンス違反が発覚した場合、企業にはさまざまな制裁が科せられるおそれがあります。

どんな制裁が下されるかは違反の内容によって異なりますが、場合によっては刑事責任や行政処分に発展するケースも少なくありません。

著作権違反の場合は民事上の責任を問われる事が多く、差止や損害賠償などを請求される事例が多々報告されています。

販促品のコンプライアンス違反を防ぐために注意しておきたい3つの点

コンプライアンスに違反した販促品を配布してしまった場合、企業として多大な損害を被るおそれがあります。

そのような被害を防ぐために、販促品を作る際は以下の点に注意しておく事が大切です。

・・注意点1. 利用承諾契約の期限切れに要注意 キャラクターなどの著作物に対する権利は著作権者が保有しており、企業が販促品に使用する場合はそのキャラクターを利用する事に対し、正式な契約を結ぶ必要があります。

これを利用許諾契約と言い、契約書にはいつまで使用するか、期限が切れた後の更新はどうするかなどの取り決めを記載する事になります。

自動更新される場合は問題ありませんが、もし利用許諾契約書に一定の期限を設けていた場合、使用期間が過ぎたらたとえ同じキャラクターであっても無断で利用する事はできません。

自社キャラクターとして長く使用する予定なら自動更新の契約を締結した方がよいでしょう。

・・注意点2. 利用承諾契約時と別の用途に使うのはNG! 販促品に使用したモデルやキャラクターが思いのほか好調だったため、CMなどにも起用したくなる場合があります。

しかし、利用許諾契約において「販促品のみに使用する」と定められていた場合、勝手にCMなどに起用するとコンプライアンス違反となってしまいます。

利用許諾契約にはいつからいつまで、どんな目的で、何に使用するのかを明記しなければならないので、販促品以外に利用したい場合は最初からその旨を記載するか、あるいは新たに契約を締結する必要があります。

・・注意点3.高すぎてもだめ!販促品の費用は適性価格に抑える 販促品は良いものであればあるほど消費者の印象に残りやすく、高い宣伝効果を期待できます。

しかし、販促品は不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)において「景品」に該当するため、場合によっては費用に制限がかかります。

無料で提供するぶんには問題ないのですが、たとえば自社の商品やサービスを利用した人すべてに販促品を配布した場合、景品の中でも「総付景品」に該当し、取引価額が1,000円未満の場合は最高200円まで。

1,000円以上の場合は取引価額の10分の2までが最高額となります。

これを超えた販促品を配布した場合、景品表示法違反となって厳しい措置命令が下される事があるので注意しましょう。

販促品のコンプライアンス徹底のために、日頃からきちんと対策を!

販促品でコンプライアンス違反を犯さないようにするためには、利用許諾契約を交わす際に使用期間や使用範囲などを細かく取り決めておく事が大切です。

契約の内容が大まか過ぎると、販促品に使用したキャラやモデルを巡って著作権者との間にトラブルが勃発する可能性が高くなってしまいます。

また、契約時だけでなく、日頃の対策も必要不可欠です。

たとえば著作物を使用している間は担当部署がきちんと利用許諾契約を管理したり、著作物を使用した販促品の在庫を把握したりしていれば、コンプライアンス違反を犯すリスクがぐんと低くなります。

一度問題を起こして信用をなくしてしまうと、元通り回復させるまでに長い時間と多大な企業努力を要する事になってしまうので、販促品の取り扱いには十分な注意を払う事をおすすめします。