日本には今、再び黄金の国ジパング”へと生まれ変われ る時が来ているのかもしれません

先日、千葉大学から使用済み電子基板などから金をリサイクルする新技術を開発したと発表されました.

日本は現在も金を含む希少貴金属をリサイクルする技術は世界トップレベルにありますが、その回収率を見てみると10%未満とリサイクルが進んでいない現状が浮かび上がります.
私たちの生活にはいつの間にか電子機器が溢れ、なくてはならない存在となっています。この日本に溢れている電子機器の中には少量ずつではありますが希少貴金属が使われています。壊れたり古くなったりして廃棄された電子機器をかき集めると、日本には年間約65万トンの希少貴金属が眠っているとされ、“都市鉱山”と呼ばれるほど注目されています。
資源のない日本でしたが、気づけば目に見えない巨大な鉱山を持つ国になっているのです。
これは早急に都市鉱山からの貴金属の回収を考える必要があるのではないでしょうか。 今回発表された新技術では、特に金だけを簡単に取り出すことができるようです。まず貴金属を溶かすことができる特殊な液体に電子基板を浸し、セ氏100度にすると金が他の貴金属と共に溶け出します。そこへ硫酸を加えると水と油のように上下2層に分離され、金以外は硫酸の層に移動し金だけが液体の層に残ります。
さらにそこへ還元剤を入れると金だけが塊になる、というのが今回の新技術です。

実験では数日で電子基板に使われていた金の約8割を回収できたそうです。その液体は繰り返し使うこともでき、焼却も可能なことから廃液処理にも困らない非常にエコで効率の良い技術のようです。
これまで貴金属のリサイクルでは、西暦800年のアラブで開発されその後中世ヨーロッパの時代から錬金術で活用されてきた「王水」と呼ばれる金属を溶かす液体を使って行われるのが主流でしたが、金以外の金属と金を選別するのに手間も時間もかかり、廃液処理にもコストがかかり採算が合わないという問題点がありました。
新手法では手間が減りコストも下げられるとされており、回収効率を現段階の8割から9割へとさらに改善し、2020年を目処に実用化が目指されています。
2020年と言えば、東京オリンピックパラリンピックです。世界へ向けて日本がリーダーシップを発揮する計画の一つとして、都市鉱山からメダルを作ろうという取り組み「みんなで作る!エコメダルプロジェクト」がタートしています。

日本選手団の活躍はもちろん、日本の金リサイクル技術にもご注目ください。