トランプ政権が発表した、今年10月から来年9月までの予 算案の編成方針を示す「予算教書」。

その内訳を見てみると歳出額の約15%を占める国防費は約73兆円と昨年から 13%(7兆円)も増加しました。

トランプ大統領は「我々は実質的に全ての兵器を増強している。我々は核兵器を刷新し、さらに新しい核兵器も製造している他国がそうして いるので我々もせざるを得ないのだ」
と発言しており、中国やロシア・核ミサイル開発を継続している北朝鮮へ向けてのメッセージとも考えられます。
現在、隣国の中国でも兵器の近代化が進められており国営の新華社通信は2月9日に最新鋭ステルス戦闘機「J20」が実戦配備されたと報じています。アメリカのシンクタング「戦略国際問題研究所」の分析では、もしJ20に長距離対空ミサイルが搭載されれば、アメリカの航空戦力を脅かす可能性があると伝えており、アメリカのダンフォード統合参謀本部長は「2025年ごろまでに中国が最大の脅威になる。近代化を進める中国軍とロシア軍に対抗しなければならない」とコメントしています。

日本は、アメリカの核の傘に守られているため、これらの隣国に対抗するためにはアメリカの軍事基盤が堅固なものでないと危機に晒されてしまう難しい立場に立たされています。
アメリカが世界の警察官”として他国に関わるようになっていたのは戦後からです。その中で、軍需産業が増加し雇用が生まれることで経済的なメリットがありました。
“アメリカ兵器のトップセールスマンを自負するトランプ大統領は 昨年11月に日米首脳会談で「アメリカから軍事装備品を追加購入すれば、いとも簡単にミサイルを空から一掃できるだろう」と発言するなど、世界中に武器を売り込もうとしており、 そのための研究開発費も非常に増加しています。
さらに、先月30日の一般教書演説でトランプ大統領が「防衛政策の一環として核兵器を近代化して立て直すことが必要だ」と語ったように、核兵器の維持管理や最新設備導入を行う「国家核安全保障局」に約1兆6000億円の予算の計上や弾道ミサイルなどの迎撃能力などの向上を目指し、「ミサイル防衛局」の予算も約2130億円に増額されています。
冷戦後の歴代米政権が目指した核兵器削減や使用回避を優先させる方針から、核兵器を「使いやすくする」方向へとカジを切る大きな政策転換を開始しています。

今後、世界中にこの流れが普及する可能性が出てくるかもしれません。