カレンダーや手帳、また履歴書のような正式な書面に見られるように元号は私たちの生活には欠かせないものです。よく目にするが故になぜ昭和や平成と名付けられたのか気にする機会の少ない元号、そこに込められた意味をご紹介していきます。

数か月ほど前に元号が変わるのはいつ頃になるかという話題で持ちきりとなりました。和暦として西暦とともに大切にされてきた元号、ベトナムや中国などでも使われたことはあったようですが現在に至るまで元号を使い続けているのは世界中で日本のみとなっています。日本書紀によると元号が使われ始めたのは645年の「大化」が始まりのようです。
さて、最初の元号と言われる「大化」から2017年の今日に至るまでの「平成」にはいくつ元号があったかご存知でしょうか。応仁や享保など、社会科でとにかくたくさん習った記憶があります。30?50?100以上?
さて、答えはなんと「平成」を含め247個あるそうです。ただ、南北朝時代において南朝年号・北朝年号を加算した場合の総数なので、南朝を基準とした場合は231個が総数とされています。社会科で元号が多いように薄々感じられてきたとはいえ、改めて知るとなかなかの数に圧倒されますね。元号の変わる基準が現在とは異なり天変地異や戦、占いなどで元号を変えるきっかけを得ていたために数年、または数ヶ月で元号が変わっていることでここまでの数となっているようです。現在の感覚で考えるとあまり頻繁に変わってしまうとこんがらがってしまいそうですね。
さて、それでは明治神宮による元号の解説より明治からの元号の由来をお話していきます。
まず明治の由来は五経の一つである易経より「聖人南面して天下を聴き、『明』に嚮ひて『治』む」という言葉からきています。これには「聖人が北極星のように顔を南に向けてとどまることを知れば、天下は明るい方向に向かって治まる」という意味が込められています。
次に大正です。大正も明治と同じく易経より「『大』亨は以って『正』天の道なり」という言葉が由来となっています。意味は「天が民の言葉を嘉納し、政が正しく行われる」というものです。
そして64年と最も長い元号である昭和です。昭和も五経の一つである書経から「百姓『昭』明・協『和』万邦」という言葉が由来となっています。込められた意味は国民の平和と世界の共存・繁栄を願うものとなっています。
そして2017年現在まで続く平成です。史記からの「内『平』かに外『成』る」と書経からの「地『平』かに天『成』る」という言葉それぞれから平成と付けられました。「内外、天地ともに平和が達成される」との意味で、元号が重ねられるたびに平和を尊いものとする意味が強まっているように感じられます。
ちなみに明治は江戸時代から計10回も候補となってきたものの採用を見送られ続け、1868年で11回目にしてやっと元号となることができたというなんだか胸が熱くなるようなストーリーも持っています。
元号が変わるという状況に新たな風が吹き込んできた昨今、新元号の予想に勤しむ方々もいらっしゃいますね。有識者の方々が練りに練って考える元号は手帳やカレンダーにも記載される日本にしかない暦です。由来や込められた意味を汲み取って大切に時を過ごしていきたいですね。